レーズンから作る酵母液
粉花のパンはどれもレーズン酵母の香りがメインです。ぶどうが入っていないのに「ぶどうの味がする」とお客さんに言われることもあります。
お店で作られているレーズン酵母を見せてくださいました。
酵母が起きるまでは約一週間かかります。
カリフォルニアのオーガニックレーズンと水を合わせて置いておくとシュワシュワと発酵してきます。レーズンを使うのは糖度が高く酵母を起こしやすいからです。
アルコール発酵で発生した炭酸ガスが小麦の膜を膨らませるので、元気な酵母液作りがパン作りの土台になるのです。
白ワインのような風味の酵母液は、力強い発酵力でパンを膨らませ、よい香りを与えています。
パン生地を作り一次発酵に8時間かけた後、一晩冷蔵庫で寝かせます。長期熟成がもちもち感を生み、もち粉が入っているのかと聞かれるほどです。
酸味があるパンを求めるお客さんもいますが、毎日食べても飽きないパンを焼くために酸味が出ないように調整します。
パンとワインの共通点
西浅草にあるワインのある気楽なビストロ「ガンゲット ラ シェーブル」のソムリエさんは、お店に入っただけで酵母のいい香りがすると言って、お店でカンパーニュを使ってくれるようになりました。
他に、浅草のダイニングバーOURBS(アワーブズ)でも粉花さんのカンパーニュはランチで出されています。
ワインとパン、料理のマリアージュが楽しまれているのですね。
自家製酵母で作られるパンのふくよかな香りはワインの香りに似ています。
粉花のカンパーニュがワイン好きに好まれるのは、同じぶどう由来の発酵の香りと旨みが感じられるからに違いありません。
作り手の魅力
真由美さんと恵さんのお人柄も、粉花の人気の理由のひとつです。
時々、お二人が同時に同じことをお話しするのが微笑ましく場が和みます。姉妹なのでリズムが一緒なのですね。
お店にお客さんが入ってきたとき、家族の感じが安心感を与えているのがよくわかります。
真由美さんは音楽が大好きで、ライブ映像を大きな音で聞くと元気が出るそうです。また、バレエ鑑賞も好きで海外から来日したバレエ団の公演を見に行ったりもします。
ガレットデロワという焼き菓子を気に入ってくれているお客様から「お菓子からリズム感が感じられる」と言われたことは、真由美さんの音楽好きがに関係があるのかもしれません。
ふんわりした雰囲気の優しい方で、浅草の三社祭りが好きだとか、緑の沢山ある場所に行って元気をチャージするとか、バターが好きでスライスしてパンにはさむなど、気さくにいろいろなことをお話ししてくださいました。
作る人の雰囲気や好みがパンにも表れているようです。
次の記事では浅草の町とのつながりやお仕事に対する思いをご紹介します
〒111-0032 東京都台東区浅草 3-25-6-1F
パンの販売時間 10:30~売り切れまで
カフェ 不定期
電話番号 03.3874.7302 定休日 日.月.火.祝
パンは午前中に売り切れる場合もあります。